「タイガーマスクW」全38話

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タイガーマスクW」全38話

(ネタバレあります)

アニメの初代タイガーマスクを子供の頃に観て親しんでいた(再放送ですが)自分にとっては、見逃せない作品。
なんと、あの50年後の現在を描いた続編。
主人公は、初代タイガーマスクと同じ名前の青年、東ナオトそして、同期の藤井タクマという青年。この2人は、ジパングプロレスという団体の新人レスラーだった。そこで、行われた試合で、ジパングプロレス代表のレスラー(タクマの父親)が虎の穴のトップレスラーである、イエローデビルとの戦いで再起不能にされてしまう。
ジパングプロレスは解散し、師匠の敵を討つべく、ナオトとタクマは別々の道にわかれる。
タクマは虎の穴に入り、タイガー・ザ・ダークとなって、敵の内部から腹を食い破ろうとする。
ナオトは初代イエローデビルであった、高岡拳太郎の元で修行し、タイガーマスクとなる。
光と影、2人のタイガーがまったく違う方法でターゲットのイエローデビルへ復讐の歩みを進めていく。

う~ん、アツいっすね!素晴らしい設定。
本作がさらにアツいのは、当時の声優さんもそのまま起用しているところ。
ミスタークエスチョン、ユニバーサル・マスク、タイガー・ザ・グレートなどかつての初代タイガーマスクの強敵も世代を超えて刺客として襲ってくる。
これは自分には当然悶絶ものの凝り方なわけだけど、新規のファンへの配慮も忘れない。時代が今なので、新日本プロレスのトップレスラー達が実名、ときには声優も本人があてたりして同じ世界の中で活躍する。こういった試みもおもしろい。自分は今の新日のレスラーは名前とキャラを少々知っている程度だが、それでもこのアニメを観ていると新日の試合を観に行きたくなってしまった。
いかにも漫画的なレスラーとの対決はいささか分が悪いのはやむないが、それでも良いバランスを保っていたと思う。

物語途中まで、お互いの正体を知らずに敵同士として戦っていた、タイガーマスクとタイガー・ザ・ダーク。
物語最後の試合タイガー・ザ・グレート・サード戦で、破れた2つのマスクをつなぎ合わせて、タイガーマスクWとして登場したときは相当ヤバかったですね。
ナオトがタクマに代わって2人分の技を使うところも。これが観たかったんだよ!血がたぎるぜ!
というわけで、期待をそぐわない旧タイガーマスクのアニメ好きな人は特に必見。
そうでなくても、爽快スポ根好きな方も是非。
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「寄生獣」全24話

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寄生獣」全24話

原作コミックは、もう25年位前。まだ自分は10代だった頃。
非常にクールな物語と隙のない構成力、スケールの大きいメッセージ性、それでいてそれらを淡々と描くところが薄ら恐ろしさを孕んでいて、今まで読んできた漫画の中でも屈指の心に残った名作。
それが、なぜか今アニメ化と映画化。しかも超話題になっているのだから、とりあえずは良い話です。

さて、アニメの内容はどうだったのか。
とても完成度の高い作品という事もあって、ほぼ原作に忠実。女の子が80年代風から現代風になっていたり、スマホが登場していたりと、最小限で無理のないアレンジは好感が持てる。見た目が変わっても、ヒロインの子の髪型は嫌いなところも一緒w いや、普通は加奈の方を選ぶだろよ!美紅ちゃんよりアオイさんだろうよ!フローラよりビアンカだろうよ!
。。ま、それはともかく、原作に忠実にアニメ化すればもう傑作になるのは間違いない。そういう事で言うと、とても楽しめた。
が、やはり今アニメ化させる宿命なのか、気になった点も。
前述したとおり、原作では陰惨な展開や感傷的、ときにエコロジカルなメッセージなども淡々と描く。ここがアニメ版では、音楽効果やシーン・シーケンスの微妙な長さによってエモーショナルさが増してしまっている。メディアの違いによって生じるどうしようもなさとも取れるが、そこをさらに一歩乗り越えるセンスがあったらアニメも原作と同等レベルのものになっただろうに。

実は、少し前まではこんな事は思ってなかった。無意識に諦めに似た感覚でもあったのかもしれない。
が、先週観に行った、イーサン・ホーク主演の映画「プリデスティネーション」を観て考えが変わった。
(数奇な運命に翻弄される人)=(可哀想)という安直な図式は過剰な演出で簡単に出来てしまう。「プリデスティネーション」では徹底して悲壮感のある演出をしなかった。それは品位と直結するもので、自分はそっちの方がガツンとくる。やはりエンターテイメント性に傾くアレンジよりも良いなと。

そんなわけで、非常に優秀なアレンジと言えるが、欲を言えばもう少しイマジネーションが介入する余地のあるものも観てみたかった。

ちなみにミギー役の平野綾は、わりと良い線いっているものの、平野綾の顔も同時にチラつく事が多くてそれが中盤位までノイズになってしまっていたのが残念。

「惡の華」全13話

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惡の華」全13話

久しぶりに琴線触れまくりのアニメに出会った。
この漫画がアニメ化されるという話が出てから漫画をほんの序盤だけ見たが、やっぱりアニメから触れてみるかと思って先にこちらから観るようにした。
これが個人的には大正解。
アニメ版はヒロイン役の佐伯さんが漫画ほど可愛くないんだよね。でもそこが良い。さらに悪役(?)の仲村さんも可愛くない。この子なんて特に役柄上、可愛くない方がハマるんだよ。さらに主人公は主題歌のクレジット見た事も影響してか、神聖かまってちゃんのの子がモデルにしか見えないんですよ。このアニメは実写を元にしているらしいので、実際のモデルの人は違うのだけれども、このドロドロとした青春っていうモチーフにもあっているように思う。

導入部分だけ観ると変態的な部分が表層として目立つが、その奥にあるテーマは、思春期の少年少女が「自分は特別だ。周りとは違う。どこかできっと自分を開放してくれる場所があるはず」とくすぶった思いを抱えたまま学校生活を送らなくてはいけないというもの。
そこには、映画「桐島部活やめるってよ」で見られたような、学校社会の閉鎖性だったり、そこが人生の全てと感じてしまうような感覚も強く描かれている。
でもこの主人公は「桐島~」の前田君のような常に外の世界だけを見ているような強さはない。途中のセリフにもあるように、クラスの人間、または山に囲まれたこの街の人間には理解出来ないような文学に触れる事によって自我を保つ。でも、ボードレールの著書は本当は中学生の主人公には理解出来ていない。本当は自分は凡人で、本を読む事によって自分を特別だと思っていたいというだけの小さい人間である事も心の奥ではわかっている。
でも、この葛藤こそ思春期の少年のリアルを描いていて良いと思うな。
思えば自分だって、小六~中一位のときにコアな音楽に触れてみたが、それが良いものかどうかなんて最初はわからなかったもの。ただ、「これを聴けばなにかが変わるかもしれない」という気持ちでレコードを買ったりしていただけ。これはわりと現在プロのミュージシャンとかであってもあると思うよ。たしか、トータス松本は、少年の頃オーティス・レディングを聴いても最初は全然良いと思わなかったのに、「これを聴いている自分ってちょっと良いじゃん」と思って、わからないながらも聴き続けたってどっかで言ってたし。

クライマックスの展開で、微妙な関係の女の子と自転車二人乗りで山を越えようとするシーンはかなりきたね。
「街を囲うあの山を越えたらなにかが変わるかもしれない。一緒に越えよう」っていう、もはやインディペンデント系の邦画のような展開で本当に素晴らしい。

この作品は設定や物語以外でも映画的な演出に溢れている。実写を取り込み加工する特殊な方法で原画が作成されているため顔のちょっとした表情や感情の機微が作品性の深みに直結している。

余談だが、ゲームやアニメなどを「これは映画的だ」っていう表現を、「じゃあゲームは映画より下か」って忌み嫌う人がいるが、映画の方が歴史が古いんだからそういう言い方になるのは当然でしょって思う。別に言っている人だって映画至上主義で言っているわけじゃないよ。

13話という短い期間でも敢えてゆっくりと物語を見せる手法を取ったり、この監督はかなりセンスのある人なんじゃないでしょうか。
第二部もそのうちやるだろうから期待して待ちましょう。

アニメのブルーレイボックスは買った事ないが、これは是非買って持っておきたい。

「Lupin The Third~峰不二子という女~」全12話

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Lupin The Third~峰不二子という女~」全12話

近年の、子供向け作風だったルパンシリーズを原作に近いアダルティックなものへと回帰させた本作。
自分は、音楽の担当が菊地成孔という事を事前に知った事がきっかけで見始めました。ジャズミュージシャンを音楽に起用する、シリーズ本来のスタイルで、ここで菊地成孔が来るとは絶妙です。今回はアヴァンギャルドな映像も多いため、シーンには常にハマっている印象でした。
オープニング曲が「ペペ・トルメント・アスカラール」の「嵐が丘」をアレンジしたもの。これを最初に観たときはかっこよすぎてシビれましたよ。

峰不二子を主人公にした事で、他の主要キャラ、ルパン、次元、五右衛門、銭型警部らとの距離間もだいぶ違ったものとして描かれている。
今までは仲間同士の楽しい感じもあったが、今回はそうでもなく、もうちょっと他人行儀。次元はルパンの事を必ず「ルパン三世」と呼び、ルパンも不二子を「峰不二子」といちいちフルネームで呼ぶ。ここはきっとこだわったところなんでしょう。
作品全体を通した冷たい感触には、あまり馴れ合いっぽい感覚を入れたくなかったがゆえと思われる。

物語は、途中まで一話完結で、終盤は続きものに。
完全に劇画調に徹した画は「墓場鬼太郎」以来のインパクト。
その画がときにかなりドラッギーなものに展開する。特に終盤は凄かったな。
近年のアニメは表層的にアヴァンギャルドな画にしているものもあるけど、個人的には鼻につきすぎて嫌なんだよね。「化物語」とか自分の中ではかなり評価低い。
でも、これは好きですね。「どうです、これヤバいでしょう」という安直さがない、徹底したものを感じる。
エロ描写も、「あれ?これ大丈夫なの?」って心配になる位思い切りやってくれてたりするw

ラスト数話は、黒幕を突き止めるべく、往年のルパンのようなダイナミックなアクションも見られるものに。
中盤位までは、わりと観念的な部分もあるものだっただけに、こういう変化は月並みながらも盛り上がるし、楽しく観られた。

主要キャラ声優陣をほぼ一新したのは大成功。特に山寺宏一扮する銭型警部は、今までのアニメのズッコケキャラとは真反対のハードボイルドな仕様に。モンキーパンチの原作は読んだ事がないので、元がこうなのかはわからないけど、これは物語へのスパイスとしてかなり良かったんじゃないかな。
ただひとつ、唯一のオリジナルキャストである小林清の声が、やはり歳をとりすぎているのを感じてしまう。普段、テレビ番組のナレーションで聞いていると、まだまだ現役だなって思うけど、こうして若いキャストの中に交ざって芝居すると、どうにも浮いている気がするのは自分だけだろうか。決して嫌いではないのだけれども。う~ん。

ともあれ、非常に楽しめました。
ルパンというシリーズをこういう形でまた始めてくれるのは嬉しいね。続編も是非この作風でやってほしい。


「坂道のアポロン」全12話

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坂道のアポロン」全12話を鑑賞

ジャズに夢中な高校生が描く青春劇、というだけで観る前から興味深かった。
タワレコで買い物してたら「女子ジャズ」とかいう小冊子が付いてきて、これとタイアップしていたりと、しっかりと力を入れているのもわかったり。(ちなみに、女子ジャズで一番最初に載っていたのはDCPRGだった・・あれって女子ジャズなの?w)

ほとんど予備知識なく観始めたら、舞台が60年代なのね。
すっかり、今の時代にジャズを志すアウトサイダー的な若者が主人公なのかと思っていたので、ちょっと拍子抜け。
ジャズが若者の音楽だった末期の頃かな。ビートルズとかグループサウンズのロック勢がそれにとって変わる存在になっていった時期。

ジャズが!って言っても、物語の主軸は少年少女の他愛のない恋愛。
「他愛のない」って、ちょっと尖った言い方してしまったけれども、これが正直端にも棒にも引っかからないような無味無臭なものでね。取り立てて胸が締め付けられるような感覚とかはなかった。
終盤クライマックスのときでも、凡庸な展開であまり盛り上がれず。
なんでも濃い口の物語が良いとは決して言うつもりはないが、どうにもこれは味気ない。
ジャズともあまり関係ないような・・・。なんか言い方悪いけど、設定に酔っているだけのようにも思えた。

ただひとつ良かった事が。
ジャズドラマーを目指す千太郎が憧れるジャズメンの淳一に自分の好きな女の子をとられてしまう。千太郎は淳一を慕っているから、なんともやり切れない気持ちに。
が、淳一はこの時代らしい堕落したタイプの男だった。まあ、作品上ハッキリとは描けないんだろうけど、マリファナ漬けみたいな感じだろうな。まあ、この時代らしいですよホント。60年代のジャズメンなんて、まともな奴居るわけないじゃないですかw
この、好きな人を年上のダメなミュージシャンに取られるというエピソードが自分的に凄く気に入った。これはね、リアルですよ。好きな人がその男と居る事で、どんどんダメな感じになっていくところとかね。しかもその女の子は元々優等生タイプで、そんな自分が嫌で悪い男の元へ自ら行ってしまうところも。音楽とかやっているとこういう切ない思いを少年時代にする事はかなり多いですよ。

まあ、全体的には前述したような感じなので、個人的にはもうちょっとジャズの濃い部分とか描かれていると良かったな。
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1/16(火)東高円寺 二万電圧
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DTChainsawのプロフィール

Author:DTChainsaw
ヒップホップバンド、VARRISPEEDSのラップ、Voを担当。
ポリリズムヒップホップユニット、Synthezoeyのラップも担当。

2011年まではPsy-VOGUEというユニットに所属。

ゲーム情報サイト、iNSIDEにて「ビデオゲーム・ライマーズ」を連載中

現在、某音大の理論中等科

秋葉原近辺で生まれ育つ。
ゲームと音楽をこよなく愛す。

※ライヴのブッキング、常にお待ちしております。
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