Laura Nyro/「New York Tendaberry」

「New York Tendaberry」/Laura Nyro
最高傑作に上げる人も多い3rdアルバム。
これは前2作と違い、リズミカルに展開する部分は最小に留め、基本的に歌とピアノで作られた骨格に部分的にバンドアレンジを肉付けさせたような印象の作品。
そのおかげか、最も歌が前面に出ている。が、前2作と違い、わかりやすいサビのようなものはあまり見受けられない。
ひたすら紡ぎ上げていく歌が次第に高揚し、ふっと落とす瞬間もあったりして。音数のとても少ない音楽な分、そのメロディの素晴らしさや空気感を生々しく感じる事が出来る。
調べたところによると、当時トランペットソロを以来していたマイルス・デイヴィスに「この音楽には俺が付け加えるべきものはない」と賞賛したという。
これにマイルスのソロってのも、それはそれであったら興味深いものになっただろうけど。
正直、ここ最近聴きなおしてみて、先に聴きなおした2ndがあまりにも良かったので、この3rdは今聴く気分ではないのかなーと思っていたが、何度も聴いているうち、その深さにズブズブとハマっていった。
これは、車を運転しながらとか本を見ながらとか、BGMのようにして聴く音楽ではない。
部屋を真っ暗にして出来るだけ良い再生環境で聴いたときにこそその深さに触れる事が出来るものなんじゃないかな。
忘れがちだったけど、いい音楽はそうやって聴くものだと思うよ。
これも買ってからかなり経つけど、今更ながら一生ものの作品である事を確信しました。
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