「バイオショック・インフィニット」/XBOX360

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バイオショック・インフィニット」/XBOX360
(難易度ノーマル:クリア)

「バイオショック」は一作目を一年半ほど前にプレイ。
リリースされたのが2007年頃という事を考えるとかなり完成されたゲームデザインに感心した。
プレイヤ-を楽しませる要素をこれでもかと詰め込んだ作風は開発側の気概を大いに感じさせるものであり、その姿勢も含めてこの作者の作品は好感が持てた。

海底都市を舞台にした1~2作とは変わって今回は空中都市が舞台。
閉塞していた世界と正反対に非常に開放的な場所での物語となった。が、そこでの住人はやはり歪んでおり、独特の世界観は損ねる事なく新たな楽しさを提供する事に成功している。さすが。

バイオショックの醍醐味のひとつが罠。
敵を罠にかけて楽々殺戮。遠くの方で「グワー!」「ウォウ~」っていう悲鳴を聞いたり、味方になっているA.I.銃器や警報センサーに敵が引っかかっている音を聞いてニヤニヤするという。
今回の超能力のほとんどにはボタンを長押しする事で簡単に地面に罠を仕掛ける事が出来る。フィールドを自分に有利にしていく。この楽しさを今回も味わう事が出来る。
が、一作目に比べると箱庭的要素が減退して、基本一本道のマップを進んでいくものになったせいか、前作だったら一度ハッキングすればずっと味方になってくれたA.I.銃器達がほんの一時的なものになってしまった。そのせいか、今作はちょっと薄味になってしまった気がするんだよね。

薄味になってしまったのは他にも原因がある。
例えば前作にあったスプライサーの生体研究。要は敵をベストショットで撮影してそのスナップの完成度で敵への攻撃レベルが上がるというもの。「デッドライジング」みたいなものか。この要素が今回ありません。
それどころか、敵があまりクリーチャーっぽくないんだよな。空中都市の警備員というか、警察なのか?普通の人っぽい姿のやつばかり相手にしているので怖さが全然ない。前作のように、徘徊しながらわかのわからない言葉をブツブツ言って歩いているやつがいないんだよ。
あと、一部の特殊能力を持つ敵は強いが、以前のビッグダディのような驚異的な強さの敵が存在しない。前作だったら弱い序盤にビッグダディに出くわすと必死だった位の感じがない。後半になると自分が強くなってビッグダディも一捻りって感じになるところが良かったんだけどなー。これこそRPGだったんじゃないのか。
細かいところで言うと自動販売機のセリフひとつとっても以前ほどのインパクトがない。「バリューサーカスで物欲をぶっつぶせ~」って中々いいラインだったと思うんだけどなw

でも、この原因って一作目が出たときから6年ほど経ってしまっている現在、以前のような狂った、もっと言うと危険な表現が出来なくなってきているのかなという考え方も出来る。
例えば超能力プラスミドを使うための所謂マジックポイントのようなものを補充するときはボタン一発で左手に注射したりとか。
リトルシスターを殺して自分の中に吸収したりとか、正にタイトルどおりショックなセンスを持ったゲームだったように思う。さらに、人によっては蛇足要素だと思われたいたハッキング時にやらされる全然関係ないアクションパズルとか。この余計な感じとかが実はおもしろい歪みになって作品性になっていた気がするんだよな。
そう考えると今回のバイオショックはあまりにも正気の部分が多い。よく言えば洗練されたと言えるのかもしれないが。でも個性は薄れてしまったというのが事実。

じゃあ、ゲーム的につまらないのかというと全然そんな事はなく、これはこれでかなり楽しめる。
一部の超能力(特にクロウ)が強すぎて全体的にやや難易度が下がったようにも思えるが、中盤過ぎになるとそれなりに緊張感のある戦いが出来るし、戦略性も出てくる。

物語も良い。やや難解で煙に巻かれる事もあるが、ラストシーンは映画的で結構好きだ。
ラストになんでもかんでも硬くて強い敵を出しゃいいってもんじゃない。
エンドロールでThe Beach Boysの「神のみぞ知る」の気持ち悪いアカペラカバーがかかるセンスも秀逸。こういうの日本のゲームも学んだ方がいいよ、マジで。

そんなわけで、このシリーズと考えるとやや物足りなさを感じるが一本の作品と考えると中々良いかなと。
明らかな失敗と言えるのは中途半端なサブクエストと、「Fallout3」ばりに拾得物が多すぎる点。これらを改善してまた新たな試みのバイオショックが出るのであれば必ず買ってプレイしたいな。
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DTChainsawのプロフィール

Author:DTChainsaw
ヒップホップバンド、VARRISPEEDSのラップ、Voを担当。
ポリリズムヒップホップユニット、Synthezoeyのラップも担当。

2011年まではPsy-VOGUEというユニットに所属。

ゲーム情報サイト、iNSIDEにて「ビデオゲーム・ライマーズ」を連載中

現在、某音大の理論中等科

秋葉原近辺で生まれ育つ。
ゲームと音楽をこよなく愛す。

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