「バットマン・ロングハロウィーン Vol.1&2」/ジェフ・ローブ/ティム・セイル

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バットマン・ロングハロウィーン Vol.1&2」/ジェフ・ローブ/ティム・セイル

渋くて最高だった「イヤーワン」の直接的続編という事で、薄いわりには一冊3200円で上下巻という高値設定にもなんら躊躇せず購入。今のうちなら気にせず買える。

「イヤーワン」よりも幾分読みやすく、ミステリー仕立てになっていて、最後まで犯人がわからないようになっているので、これこそバットマンコミックスの初心者にいいのかもしれない。ラスト周辺の読者を撹乱させる作りは特に日本人向け。
ヴィラン達の登場具合も中々。この物語はトゥーフェイス誕生に収束されていくのでジョーカーを始めとする面子は話の根幹にそこまでは関与しない。ただひとりを除いて。
この話はゴッサムシティで強い勢力を持つマフィア一家を中心とした、クライムサスペンスの様相と呈していて、ファルローネ・ファミリーという名前から、映画「ゴッドファーザー」も強く想起させるものだ。
金銭の流通、身内での冷戦、敵打ちなど、マフィア映画で見るそれらのドラマと、ヴィラン達サイコパスが巧みに絡み合っているところは、異彩を放っていて素晴らしい。一番の見どころと言っていい。
これらのファミリー達を次々と殺害していく、謎の殺人鬼ホリデイとは何者なのか?
最初、映画「ダークナイト」を先に観てしまっている自分としては、「え?あの人でしょ?」という感覚で読み進めていったが、さすがにそんな単純なものではなかった。
もちろん、最後まで犯人がわからないところも大きな魅力ではあるが、サプライズ的なものがあるから名作としているわけでは決してない。
ハービー・デントがなぜ壊れていってしまったのか、その描き方は表層的な変化だけに終わった映画「ダークナイト」よりも格段に深い。デントは構築していった自分の夢が裏切りによって壊れた事によって自らの人格が破綻してしまったのだ。その想いは、法を侵す事もいとわなかった。これで彼の思ったとおりにいけば、真にダークナイトたりうる事だったろうに。
そして、デントにまつわる悲劇は最後まで終わらない。非常に悲しい余韻を残して終わる。これがとても良いんですよ。若干「ん?」ってな気もしたけど。

いずれにせよ、おもしろくて一気に読める本作。とてもオススメです。
次回作も大変気になるが、評判は本作ほど芳しくないですねぇ。どうでしょうか。
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DTChainsawのプロフィール

Author:DTChainsaw
ヒップホップバンド、VARRISPEEDSのラップ、Voを担当。
ポリリズムヒップホップユニット、Synthezoeyのラップも担当。

2011年まではPsy-VOGUEというユニットに所属。

ゲーム情報サイト、iNSIDEにて「ビデオゲーム・ライマーズ」を連載中

現在、某音大の理論中等科

秋葉原近辺で生まれ育つ。
ゲームと音楽をこよなく愛す。

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